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濱本 真平; 大橋 弘史; 飯垣 和彦; 島崎 洋祐; 小野 正人; 清水 厚志; 石塚 悦男
Proceedings of 2021 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2021) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2021/10
HTGRは、炉心内に大量の黒鉛材料を有しているため、原子炉圧力バウンダリが損傷した際は、炉心内に空気が流入して黒鉛が酸化する事故を想定する必要がある。本事故時、酸化反応の熱によって燃料温度が上昇し、事故が進展しないことを確認することは重要である。そこで本研究では、黒鉛材料の不燃性を評価する方法として、材料の発熱量と放熱量を比較する方法を提案した。発熱量の計算には高温ガス炉HTTRの構造材料をリファレンスにした。構造材料と接触する空気の量は、煙突効果から決定される値とした。放熱量は、煙突効果を生む空気の加熱分と、材料外表面の対流と輻射の合計値とした。発熱量と放熱量を比較した結果、放熱量は発熱量よりも大きいことがわかった。この結果から、黒鉛材料は空気浸入事故時に事故条件に依存せず、温度が低下に向かうため、燃焼しないことが分かった。HTGRのシビアアクシデントへの対処法を決定する際には、黒鉛材料の不燃性を明確に説明することが重要である。本提案のようにシンプルな理論に基づく評価法は、黒鉛材料全体に適用できるため、有用と考えられる。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 中川 繁昭
Mechanical Engineering Journal (Internet), 4(3), p.16-00495_1 - 16-00495_11, 2017/06
本報告では、高温ガス炉の減圧事故時における炉心への空気侵入に対して、受動的な抑制を可能とする原子炉構造を提案する。第一に、従来、側部反射体内に設けられた冷却材上昇流路を内部反射体に移動する。第二に上部可動反射体を流路反転を行う構造に変更する。提案する原子炉構造の有効性評価として、冷却材流路での自然対流や炉内構造物での熱伝導、熱放射等、原子炉内の重要な物理現象を考慮した熱物質収支計算を行った。その結果、在来の原子炉構造に比べて減圧事故時の空気侵入量を大幅に低減可能であることが明らかにした。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 中川 繁昭
Proceedings of 24th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-24) (DVD-ROM), 8 Pages, 2016/06
本報告では、高温ガス炉の減圧事故時における炉心への空気侵入に対して、受動的な抑制を可能とする原子炉構造を提案する。第一に、従来、側部反射体内に設けられた冷却材上昇流路を内部反射体に移動する。第二に上部可能反射体を流路反転を行う構造に変更する。提案する原子炉構造の有効性評価として、冷却材流路での自然対流や炉内構造物での熱伝導、熱放射等、原子炉内の重要な物理現象を考慮した熱物質収支計算を行った。その結果、在来の原子炉構造に比べて減圧事故時の空気侵入量を大幅に低減可能であることが明らかにした。
高瀬 和之
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.631 - 639, 2000/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉の真空境界破断(LOVA)時に起こる熱流動挙動、例えば容器内への空気侵入、放射化ダストの飛散、温度差に起因する置換流等を高精度で予測するための数値解析コードの開発を行っている。本コードの基礎方程式群は圧縮性流体の式、状態方程式、微小粒子の運動方程式、置換質量計算式等から構成される。本報は、開発中のLOVA事象解析コードを用いて行った解析結果を示す。破断位置及び破断面積をパラメータとして行ったLOVA発生後の真空容器内の平均圧力計算値と時間の関係は、LOVA予備試験結果と10%以内の誤差で良く一致し、本コードが核融合実験炉の安全設計上十分な予測精度を有していることを確認した。また、本研究によって減圧下におけるダストの飛散挙動や置換流によるダストの移行挙動の予測が初めて可能になった。現在は真球状のダスト形状を仮定しているが、今後はダスト条件(密度、サイズ等)をパラメータとした解析が行えるようにコードを改良する考えである。
武田 哲明; 菱田 誠*
Nuclear Engineering and Design, 200(1-2), p.251 - 259, 2000/08
被引用回数:27 パーセンタイル:82.56(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉の1次冷却系主配管破断事故時の空気侵入挙動の解明と空気侵入防止技術の開発に資するため、原子炉の流路構成を模擬した試験装置を用いて実験を行った。実験の結果、配管破断後の炉心部を一定速度で降温する場合は、事故を空気の自然循環流が発生する第2段階まで進展させないような降温速度が存在することが明らかとなった。また、炉心部の高温と低温流路間に発生する空気の自然循環流は、低温流路側に相当する圧力容器等の流路からヘリウムガスを一定量注入することによって流れを制御することができ、多量の空気侵入を防止できることを示した。
高瀬 和之
日本機械学会2000年度年次大会講演論文集, 1, p.607 - 608, 2000/00
核融合炉で真空境界が破断するような異常事象はLOVA事象と呼ばれる。LOVAが発生すると、まず破断部分から真空容器内部に空気が侵入し、次に真空容器内外の圧力が均圧した後に破断部分に温度差に起因する置換流が形成され、この置換流に同伴されて放射化したダストやトリチウムの微粒子が容器外部に流出する。このような熱流動現象を核融合炉条件下で実験的に把握することは容易ではない。そこで著者は、LOVA下における空気侵入挙動、置換流挙動及び放射化ダストの飛散挙動を定量的に予測するための解析コードの開発を行っている。本報は開発中であるLOVA解析コードの検証計算結果について報告する。今回は特に、置換流に及ぼす破断面積の影響や真空容器で複数カ所が破断した場合の熱流動挙動について数値的に検討した。本研究の結果、著者が提案する置換流評価モデルを使って置換流量を高精度で予測できることを確認した。同様に、提案している粒子運動モデルを使って1か所破断時ばかりでなく2か所破断時のダスト飛散挙動を十分予測できることを示した。
鶴 大悟*; 岡本 孝司*; 斑目 春樹*; 文沢 元雄
日本機械学会論文集,B, 63(615), p.82 - 89, 1997/11
本研究は高温ガス炉スタンドパイプ破断時空気侵入挙動を調べる一環として行ったものである。本研究では空気-ヘリウム置換流の実験を行い、その結果同一の体系で2種類の安定なフローパターンを見いだし、置換流量の予測を考察した。2種類の安定なフローパターンとは、流出ヘリウムが流入空気に引き寄せられないパターン及び流出ヘリウムが流入空気に引き寄せられるパターンである。上昇流と下降流の相互作用である巻き込みに着目し、巻き込み率の測定実験を行った。管路網モデルを用いて置換流量の関係式を導出した結果、実験で得られた巻き込み率のデータより置換流量の予測を可能とした。
武田 哲明; 武仲 五月*; 菱田 誠
日本原子力学会誌, 38(2), p.154 - 162, 1996/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)一次冷却系主配管破断事故は、高温ガス炉の設計基準事故の一つである。本事故時には破断口から炉内に空気が流入し、黒鉛の炉内構造物を酸化させる恐れがある。また複雑な多成分気体の流れが炉容器内に発生することが考えられる。そこで高温ガス炉を模擬した配管破断模擬試験装置を用いて、破断から炉内を一巡する自然循環流が発生するまで(第1段階)の空気流入過程について調べた。本論文では、周辺領域の炉心流路の温度が中心領域よりも低い場合、及び炉心の平均温度が事故後低下する場合の空気侵入過程及び第1段階の持続時間について調べた。その結果、周辺領域の温度が低い場合でも第1段階の持続時間は均一温度実験の場合とほとんど同じこと、炉心温度降下実験において降温速度が速い場合事故が第1段階で収束する可能性があること等がわかった。
武田 哲明; 武仲 五月*; 菱田 誠; 江森 恒一
日本原子力学会誌, 37(10), p.948 - 958, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)一次冷却系主配管破断事故時は、高温ガス炉の設計基準事故の一つである。本事故時には破断口から炉内に空気が流入し、黒鉛の炉内構造物を酸化させる恐れがある。また複雑な多成分気体の流れが炉容器内に発生することが考えられる。本論文は配管破断事故における空気流入過程の実験的研究に関するものである。実験はHTGRの流路形状を模擬し黒鉛流路を内蔵する配管破断模擬試験装置を用いて行い、破断から炉内を一巡する自然循環流が発生するまで(第1段階)の空気流入特性を炉心温度を400~1050Cの間で変化させて調べた。その結果、第1段階が5~11日持続すること、黒鉛温度が600~850Cのとき二酸化炭素が発生し、850~1000Cのとき一酸化炭素と二酸化炭素とが発生すること等がわかった。
鶴 大悟*; 岡本 孝司*; 班目 春樹*; 文沢 元雄
可視化情報学会誌, 14(SUPPL.1), p.39 - 42, 1994/07
高温ガス炉配管破断時空気侵入挙動解明の一環として、安定成層流の密度分布を調るため、遺伝アルゴリズムによる干渉画像解析を行った。この画像解析手法では、マッハツェンダ干渉画像から3次元密度分布を構築する場合、素密度分布の組合せの最適化手法として遺伝アルゴリズムを用いた。したがって、少数の干渉画像から高精度の密度分布を再構築することができた。
川橋 正昭*; 細井 健司*; 平原 裕行*; 福井 大俊*; 文沢 元雄
可視化情報学会誌, 13(SUPPL.2), p.87 - 90, 1993/10
高温ガス炉スタンドパイプ破断時空気侵入挙動の解明の一環として、傾斜管内置換流の可視化実験を行った。すなわち、容器内気体(ヘリウム)の密度が外気(空気)に比べて小さい場合、容器上部の傾斜管内で対向置換流が生じるが、その置換流をレーザライトシート法により可視化した。その結果、傾斜管内では断面内2次流れが観察されたが、管路全体にわたってほぼ分離した置換流が生じていることが明らかになった。
藤井 貞夫*; 赤松 幹夫*; 五十嵐 実*; 文沢 元雄; 功刀 資彰; 菱田 誠
Proc. of the 6th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics,Vol. 2, p.1498 - 1505, 1993/00
高温ガス炉スタンドパイプ破断事故時の空気侵入挙動解明の一環として、3次元境界適合座標変換法(BFC)を使用し、物性値が大きく異なり、しかも形状が比較的複雑な空間内の浮力対向置換流の数値解析を行った。計算結果を既存の実験結果と比較したところ、熱伝達率の計算値は半球容器内自然対流の場合の実験値より低い値となった。また、数値解析でも実験で観測されたような非対称で複雑な非定常流動様式が観察された。
文沢 元雄; 小川 益郎; 菱田 誠; 岡本 孝司*
FLUCOME-91, p.333 - 338, 1991/00
高温ガス炉の配管破断時の空気侵入事故に関連して、水平及び傾斜開口部を通る置換流(対向流)の実験を行った。作動流体としてはヘリウムガスと空気を用いた。またマッハツェンダー干渉計により非定常濃度分布の可視化を行い、流動様式を観察した。この結果、水平開口部の場合、左右及び上下に変動する不安定な流れが観察された。傾斜開口部の場合、流れは上部と下部に分離された安定な流れが観察された。傾斜開口部の場合、流入空気量が水泡開口部の場合より多くなることが分かった。
後藤 実; 稲葉 良知; 相原 純; 植田 祥平; 橘 幸男
no journal, ,
原子力機構では、高温ガス炉の特徴的な事故のひとつである空気侵入事故時における耐酸化性能を向上した、革新的な燃料要素の基礎基盤技術の確立を目指し、耐酸化性能に優れるSiCを燃料要素の母材として新たに適用する技術開発を行っている。本発表では、耐酸化燃料要素装荷した高温ガス炉の核熱設計について報告する。